#人骨 #土葬 #虐め #昭和 #戦時中 #ガイコツ

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四 ヒロシ
 
 周りの友達もまともじゃないのが集まってきた。
 兼次(かねじ)といると阿呆や病気が治ると勝手に噂になりお母さんに頼みにくるのだ。
 農家のせがれのヒロシと遊んであげることになった。
 ヒロシは小便たれでみんなに嫌がられていた。
 家族にも嫌がられ、小学生になってもオシメが取れないのだ。
 おねしょじゃなく、起きていても小便を漏らしている。
 臭いも酷いし学校もたまにしか来ない、来ても便所に行って帰ってこない。
 
 裏山に遊びに行ってしまうし、先生も怒る事はしない。
 先生と云っても戦争で先生不足なので代用教員の15、6歳の女学生なので干渉したくないのだろう。
 ヒロシの母親もどうする事も出来ず、頼みに来たのだ。
 驚いたのは、ヒロシは暗くなると母親の命令で墓場に云って人骨掘り起こして持って帰る。
 小便たれを治すのには、子供の骨を砕いて粉にしてオブラート包んで飲むと治るという迷信があったのだ、見つかれば重罪だ。
                                                        
 僕はこんな気持ち悪い友達は欲しくなかった。
 ヒロシはナヨナヨしていて声も小さく、すぐに僕にくっついて来る。
 オシメが臭くてたまらない。
 学校でも、オシメが臭いしナヨナヨしているのでいじめられる。
 漁村の集落に住んでいるいじめっ子達わんぱく揃いだ。
 僕はお父さんが村で一目置かれているので、いじめられる事はない。
 ヒロシがイジメられない方法を考えることにした。
 すると、頭のお爺さんが出てきた。
 僕が困って考え事をすると出てくるのだ。
 お爺さんの言うには「ヒロシは声が小さいので大声を出す事が必要だ、それともう1つ・・・」
 僕はヒロシと海に向かって大声を出す練習をした。
 ヒロシは一生懸命声を出す、なぜか僕の言うことは素直に聞く。
 ヒロシが学校に来るとイジメっこ達が集まり、ヒロシをからかいだす。
 練習の成果を出す時が来た。
 僕はヒロシに指示を出すとヒロシは大声で「ドツキきまわすぞ!」
 しかし、いじめっ子達は一瞬は怯んだが、リーダー格の奴はヒロシの顔を叩いた。
 ヒロシの鼻からツーッと血が垂れてきた。
 大声の練習の成果無しだった。
 すると、リーダーは顔色が変わってくる。
 リーダーは血を見るのが怖いのだ「ウワ~」と叫んで何処かへ行ってしまった。
 ヒロシは親にも叩かれたりしているので血を流すのは慣れっこだ。
 ヒロシは汚くて臭いおしめを脱いで、おしめを振り回した。
 他のいじめっ子達は悲鳴をあげて逃げ惑う、おしめが付いたら死ぬのか?
 これは、頭の中のお爺さんが教えてくれたが、こんな絶大な効果があるとは思わなかった。                 
 

 

  それからヒロシは最強になったが、学校にはたまにしか来なかった。
 団体行動が苦手なのか、やはり普通の子ではない。
 ヒロシはナヨナヨしているが起用で物覚えがよく、僕のお父さんの会社で雑用などのお手伝いをして駄賃をもらう方が性にあっているのか、大人達には重宝がられた。
 
 ヒロシはのちに風呂屋を買い取り、三助(さんすけ)で客の背中を流し赤子の面倒見て細やかなサービスが人気が出て成功し銭湯施設を何軒か経営したが、60歳過ぎにガンで亡くなった。
 
 僕たちも学校に行っても軍事教練や勤労奉仕などして学校も行かない子も多かった。
 戦火が激しくなり大阪からも学童疎開で子供たちが来た。
 名前は忘れたが、男の子が「いいもの見せてやるから、なんか食べ物くれ」
 その子は大阪ではお金持ちらしいが、なんせ戦時中で食べ物がないのだ。
 何故か大阪から来たというだけで特別だと思ってしまう。
 僕たちはワクワクして芋の蒸かした物など持っていった。
 その子はカバンから、拳くらいあるオモチャのガイコツのしゃれこうべを出した。
 みんな、驚いたが「驚くのはまだ早い」その子は上着を脱いでしゃれこうべに掛けた。 
「上着の中に顔を入れてみ」ひとりが恐る恐る顔を入れる。
「オー、なんやコレ!」 
 ガイコツが光っている。
                       
 蛍光塗料が塗ってあるのだが、こんな物がこの世にある事なんか知らないので凄く驚き群がった。
 ガイコツは作り物のオモチャだが光るなんて夢にも思わない。
「やっぱりと都会は凄いモノ在るんやな」みんな干した芋や蒸かした芋等を渡すとその子はがっついた、余程お腹が空いていたのか。
 それを見ていた同級生のタカオは次の日。
「俺も持って来たで」自慢げに袋からガイコツのしゃれこうべを出した。
 他の一人が「ほんまか、昨日より大きいやないか!」奪い取ると机に置いて上着をかける。
 タカオは「それは、光らんけど・・・」そんな話は誰も聞かず一斉に上着の中に顔を突っ込んだ。
「なんやぜんぜん光ってないやん」
 タカオは当たり前の様に言った。
「光らんよ、だって本物の赤ちゃんのしゃれこうべやで」
 教室に悲鳴が鳴り響いた。
 タカオの家は墓守のせがれで、昔は土葬で白骨化になってから洗骨(骨を洗う)して骨壺に入れるのだ。
 それを家から黙って持って来てしまった。
 
 
                 

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